ただこれだけを考え、妥協することなく、更なる技術を追求していきます。
また、天満切子の技術を絶やさないためにも、楽しみながら後進の育成ができれば幸いです。
この思いがあり、ここ天満の地に「切子工房 昌榮」を始める事に致しました。
「昌榮」という名は、師匠 宇良武一(うら たけいち)から頂いたもの。
私は2003年から宇良兄弟(兄 榮一[えいいち]氏・弟 武一氏)の下で仕事をしていました。しかし、2005年に兄 榮一氏が作業中に倒れ、帰らぬ人となりました。
その後は武一氏と2人で仕事を進める日々が続きました。そんなある日、武一氏から私の切子師としての名前が入った落款を与えて頂きました。
落款に刻まれていた文字は、私の昌美の「昌」の字と、兄の榮一氏の「榮」の字を合わせた「昌榮」。
切子職人としての榮一氏はほとんど表に出ていなかったため、「兄を知っているのは西川(私)だけやから榮の字を使ってくれ」というのがその理由でした。
弟子である私の切子師名に、自分の名ではなく兄の名を合わせてくださったことに、兄弟の深い想いやりを感じました。
また名を頂いたことによって、私の中に切子師としての自覚が強く芽生えました。
「宇良武一氏・榮一氏、大事なお二人の意志を受け継ぎ、伝えていきたい」
この思いから、工房の名前にも『昌榮』を使うこととさせていただきました。
大阪府生まれ
宇良武一氏が天満切子の製作を始めると同時に、技術を伝えるために開設した切子教室に通い始める
切子工房RAUにて修行を開始。宇良武一氏に師事
工房での修行の傍ら、「株式会社朝日硝子」に通い、色被せガラス・吹きガラスの製造について学ぶ
切子職人として活動しながら、宇良武一氏の助手として切子教室の生徒に教え始める
切子師の名前が入った落款を頂く
切子教室の講師として本格的に活動を始める
天満切子の技術を継承しつつ、新たな作品を手掛けるべく「切子工房 昌榮」を創業